雑学

『平家物語』の冒頭の英語訳

『平家物語』の冒頭の英語訳

日本の古典の代表作である『平家物語』は、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という冒頭文が有名です。

冒頭の文章は、次のように続きます。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ。

出典 : 作者不詳『平家物語』

仏教的な無常観が根底に流れる、平家の栄華と凋落、そして新たな武士階級の台頭や人間模様を描いた作品です。

『平家物語』の冒頭『平家物語』の冒頭 〈原文〉 祇園精舎ぎおんしょうじゃの鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹さらそうじゅの花の色、盛者必衰じょう...

それでは、この『平家物語』の冒頭の文章を、英語訳にした場合、一体どういった表現になるのでしょうか。

翻訳家で詩人のピーター・J・マクミラン氏が英語訳した、『平家物語』の冒頭文は以下の通りになります。

The sound of the bells of Gion Monastery echo with the ever – changing nature of all things. The fading hues on the blossoms of the sala tree signify that all that flourishes must fade. The arrogant do not prevail for long, nothing but a spring night’s dream. The mighty in time succumb, dust before the wind.

出典 : ピーター・J・マクミラン『日本の古典を英語で読む』

最初の一文にある無常は、英語で「ever – changing(絶え間なく変化する)」という言葉を使って表現されています。

また「おごれる人は久しからず」という部分は、「The arrogant do not prevail for long」という風に訳されています。これは、「傲慢な者が長いあいだ勝つということはない」といった意味合いになるでしょうか。

ちなみに、『平家物語』の英語版の題名は、そのまま直訳で、『The Tale of the Heike』となっています。

英語版『平家物語』のなかでは、本編から10の話を取り出し、易しい英語で翻訳した、ベンジャミン・ウッドワード編著『英語で読む平家物語』があります。

本には、付録として朗読CDがつき、はっきりした発音でゆっくり読まれるので、リスニングの勉強以外に、英語のオーディオブックとしても楽しむことができます。