石川啄木の短歌の「そ」の意味
明治時代の歌人、石川啄木の短歌に、故郷への思いを詠んだ「ふるさとの訛なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聞きにゆく」という歌があります。
停車場というのは駅のことで、恐らくこの歌で詠まれている駅は東北への玄関口でもあった上野駅を指しています。
上野駅の15番線ホーム付近には、この石川啄木の歌の歌碑もあります。
故郷の訛りが懐かしく、啄木の故郷である岩手県を始め、多くの東北人たちがごった返す駅の人ごみのなかに、訛りを聞きにゆく、という歌です。
この「そ」というのは、「それ」という代名詞を意味します。漢字で書くと「其れ」になります。