アニメも始まった、人気漫画『チ。─地球の運動について─』。作者は魚豊(読み方は「うおと」)さんで、ビッグコミックスピリッツにて連載されていた作品です。
作品の時代背景は15世紀、中世のヨーロッパが舞台で、天動説から地動説への大きな転換点を描いた漫画です。
漫画の世界では、天動説は異端者として迫害されるものの、実際の歴史では、地動説を掲げることで激しく迫害弾圧されたという記録は残っていないようで、この辺りはフィクション作品として描かれています。
ざっくりとしたあらすじは、アニメ版のYouTube紹介動画が分かりやすく纏められています。
天動説が、宗教とも結びつき、絶対とされていた世界で、命をかけて地動説を提唱する物語です。
チ。という一字のタイトル、この目を引くタイトルの由来は、「地」の他にもさまざまな意味の言葉になること、また文字が造形的にも不気味で美しいから、と理由について作者は答えています。
タイトルは最初から『チ。』でした。『チ。』という一文字は”地”以外にも様々な意味に変換できる言葉ですし、単純に”チ”という文字の形が不気味であり、同時に美しい。
この地以外の意味としては、知性の知や、暴力の血といった意味合いもあるようで、そもそも地動説をテーマにすると決める前から、「知性と暴力」の漫画にしようと決めていたようです。
知性と暴力で、「知と血」、そのあとで、地動説がテーマに決まり、「地」も加わったことで、これはもう『チ。』だということになったそうです。
それから、タイトルに句読点の「。」がついているのですが、この句読点の理由についても、作者自身が回答しています。
「。」は地球を表していると同時に、文の停止を意味する句点に軌跡を足すことで、「止まっていたものが動き出す」というコンセプトを表現できると思い、タイトルデザインのアイデアを提案させていただきました。
この「。」によって地球が表現され、かつ、タイトルデザインを見ると、「。」に軌跡が加えられていることから、「止まっていたものが動き出す」という意味合いも込められているようです。
作品としても面白いですし、アニメの演出、またヨルシカやサカナクションの音楽もぴったりです。