ジョバンニとカムパネルラの年齢
童話『銀河鉄道の夜』は、少年ジョバンニと、親友のカムパネルラが、死を連想させる銀河鉄道の旅を行う、宮沢賢治の代表作です。
賢治の童話というと、この作品がもっとも有名なうちの一つではないでしょうか。
幻想的で宗教的な世界観で、どこか死の匂いも漂っている、物悲しい童話です。

冒頭では、学校の教室で、黒板に吊るした黒い大きな星座の図の白くけぶった銀河帯のようなところを指しながら、先生が、生徒たちに、「これは何か」と問いかけます。
ジョバンニは、それが星だと知っていましたが答えられず、同級生で親友のカムパネルラも、先生から名指しされたものの、ジョバンニを気の毒がってわざと返事をしません。
また、過去に二人は、一緒に大きな本のなかにある銀河の写真を見ていたことも冒頭で明かされます。
深いところで繋がっているジョバンニとカムパネルラ。二人の友情が描かれる作品でもありますが、彼らの年齢については、『銀河鉄道の夜』作中では描かれていません。
そのため、はっきりと何歳だということは断定できませんが、ただ、学校の授業内容や、仕事の様子から、思春期前だろうと考えられています。
物語の終盤では、銀河鉄道の世界からジョバンニが我に帰ると、カムパネルラが、溺れたザネリを助けたのち、行方不明になっていることを知ります。