日本文学

今は昔、竹取の翁といふ者ありけり『竹取物語』 意味(現代語訳)

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今は昔、竹取の翁といふ者ありけり 『竹取物語』冒頭

〈原文〉

今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 名をば、さぬきのみやつことなむいひける。 その竹の中に、もと光る竹なむ一すぢありける。

〈現代語訳〉

今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいた。野山に分け入っては竹を取り、様々なことに使っていたそうである。名を、さぬきの造と言った。その竹のなかに、根元が光っている竹が一本あった。

概要と解説

平安時代の前期に成立した『竹取物語』は、現存する日本最古の物語文学です。

作者や成立年など詳細はわかっていませんが、昔話や絵本で多くの人が親しんできた有名な「かぐや姫」のもとになっているお話でもあります。

物語の冒頭は、教科書などで朗読する機会があって耳に残っているかもしれませんが、「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり」という一節から始まります。

〈原文〉

今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。 名をば、さぬきの造となむいひける。 その竹の中に、もと光る竹なむ一すぢありける。

あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。

〈現代語訳〉

今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいた。野山に分け入っては竹を取り、様々なことに使っていたそうである。名を、さぬきの造と言った。その竹のなかに、根元が光っている竹が一本あった。

不思議に思って、近寄ってみると、竹筒のなかが光っている。そのなかを見ると、三寸ぐらいの人が、とてもかわいらしい様子で座っていた。

出典 :『竹取物語』

讃岐造さぬきのみやつこという名前のおじいさんが竹を取っていたら、光っている竹を見つけ、そこで小さな可愛いかぐや姫と出会います。

その後、かぐや姫を育て、やがて大きくなると、姫は5人の貴公子の求婚を受けます。

でも、かぐや姫は彼らの求婚を頑なに断り続け、帝にも応じることなく、8月の十五夜の日に、月の世界へ帰っていく、という結末です。

竹取物語 絵巻

もし『竹取物語』の全文を現代語訳で読みたい場合には、田辺聖子訳や川端康成訳などがあり、特に満月の夜に、天人が迎えに現れ、かぐや姫が月に帰らなければいけない別れの場面は、今読んでも切ないシーンです。

また、ジブリ作品で高畑勲監督の遺作でもある『かぐや姫の物語』も、『竹取物語』が原作です。

高畑勲『かぐや姫の物語(スタジオジブリ)』 予告編

美しい映像で、『竹取物語』の繊細さを丁寧に描き、最後の迎えのシーンも素晴らしい名場面となっています。