吉本ばななの名前の由来
吉本ばななさんは、1964年生まれで東京都出身の日本の小説家です。
父は思想家で詩人の吉本隆明、姉のハルノ宵子さんは漫画家。ロルファーの田畑浩良さんが事実婚のパートナーです。
吉本ばななさんは、姉が絵が上手だったことから、5歳くらいの頃に「自分は文章だ」と作家を目指す気持ちが芽生えたそうです。
初めて小説を書いたのは8歳の頃で、10歳になったときに書き上げたと言います。
東京の高校を卒業後、日大芸術学部に進学。卒業後に、まもなく『キッチン』でデビュー。この『キッチン』は、デビュー作にして、国内だけでなく世界中で大ヒットを果たします。
ライナスのように毛布にくるまって眠る。冷蔵庫のぶーんという音が、私を孤独な思考から守った。そこでは、結構安らかに長い夜が行き、朝が来てくれた。
ただ星の下で眠りたかった。
朝の光で目覚めたかった。
それ以外のことは、すべてただ淡々と過ぎていった。
出典 : 吉本ばなな『キッチン』
吉本ばななという名前はペンネームで、本名は吉本真秀子と言います。
この不思議なペンネームは、シンプルに、「バナナの花が好きだから」ということに由来します(2003〜2015年まで、「よしもとばなな」表記)。
ちなみに、このペンネームについて、文学者のマーク・ピーターセン氏は次のように書いています。
明治大学政治経済学部名誉教授で文学者のマーク・ピーターセンは「もし吉本の小説が英訳されてアメリカで出版されたら、吉本のペンネームはそのまま使えるか?」という問いに対して「一般のアメリカ人の場合、いきなり”Banana Yoshimoto”と言われても、多分それを名前として受けとめる心の準備は、ほとんどの人にできていないのではないかと思う」と話しており、それについて「ファースト・ネームは、いうまでもなくわざわざ選んで付けるものである。ペンネームの一部だとしても、作るときには一応『ファースト・ネーム感覚』といったものが働く。もし私が自分の日本語のペンネームとして『マーク・ピーターセン』の代わりに、例えば『ピーターセン・焼肉』などにしても、それはペンネームにも何にもならない。ただわけが分からないだけであろう。”Banana Yoshimoto”は、そういうものである」と解説している。
出典 : Wikipedia『吉本ばなな』
吉本ばななという名称は、日本でもじゅうぶん変わった名前ですが、海外だといっそう不思議なペンネームに映るのかもしれません。