「うつりにけりな」の意味
「うつりにけりな」の意味
百人一首にもある、小野小町の和歌に、「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」という歌があります。
これは現代語訳すれば、「美しかった花の色も、すっかり色あせてしまったなあ。同じようにわたしもむなしく年をとってしまった、春の長雨が降りつづき、世の中や恋のことについてぼんやりと物思いにふけっている間に」といった意味合いで、どこか永遠ではない若さと人生の儚さ、また後悔などを、雨のために花の美しさをしっかりと鑑賞できなかった日々に重ねて歌っています。
この歌のなかに出てくる、「うつりにけりな」とは、「うつる」=「色褪せる、変色する」に加え、「にけりな」というのが、「〜になってしまったなあ」で、「色褪せてしまったなあ」となります。
小野小町は、詳しい経歴などはわかっていませんが、絶世の美女だったとも言われ、恋の歌で知られています。
ちなみに、この「花」というのは春の花で、一般的には、桜の花ととらえられることが多いようですが、いずれにせよ、雨が長く降り続けているあいだに花が色褪せてしまったという悲しみも混じった、映像的で美しい和歌です。

