相田みつを「にんげんだもの」の英語翻訳
相田みつをは、日本の詩人、書家で、1924年に栃木県足利市に生まれ、1991年に転倒後の脳内出血が死因で亡くなります。
独特の書体と、平易な表現で綴られる詩は、多くのひとに親しまれ、代表作とも言える「にんげんだもの」という一節は誰もが一度は目にしたことがあるかもしれません。
相田みつを「にんげんだもの」
もともと相田みつをは、「毎日書道展」に幾度も入選するなど、若い頃に書家として出発します。
その後、専門家にしか理解されないような書のあり方に疑問を抱き、書と詩の融合を目指したスタイルに到達し、独特の書体と、易しい言葉で綴った詩という形を、三十歳頃に確立していきます。
長い不遇の時代を経た相田みつをは、晩年、大衆的、商業的には成功したものの、文学と書の両方の世界から高く評価を受けるということはなかったようです。
相田みつを「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」
さて、相田みつをの詩は、日本語だと意味としては大変分かりやすい文章ですが、英語に翻訳した場合、一体どういう訳になるのでしょうか。
相田みつを作品の英語翻訳版は、東京国際フォーラムにある相田みつを美術館に掲示されています。
つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの
it’s ok to stumble, isn’t it we are human after all
うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころがうつくしい
your heart is so beautiful believing that something beautiful is beautiful
しあわせはいつも自分のこころがきめる
happiness is always decided by one’s own heart
相田みつを作品は、ひらがなと簡単な漢字で構成されていることから、美術館には多くの外国人も来館するため、全作品に英語訳をつけているそうです。
代表作「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」という作品の英語翻訳では、「stumble」が、「(障害物などに)つまづく」という意味になり、文末の「after all」は、「結局」という意味になります。
直訳すれば、「つまづいても問題ないでしょう、結局、我々は人間なんですから」となります。
肝となる「にんげんだもの」という部分は、「isn’t it we are human after all」と英語訳されています。
この訳では、主語が、「 I 」ではなく「We」というのが、いっそう普遍的な印象を与えてくれます。
相田みつを作品は、漢字とひらがなのバランスや緩やかな語尾、そして、書体といった様々な要素が詰まったものなので、ただ文字だけの英語訳というと、色々と取りこぼされる部分も大きいかもしれません。
しかし、書の横に意味が添えられることによって、海外の人にも絵(書)と言葉という一つの作品として受け入れられやすくなるのでしょう。
以上、相田みつを「にんげんだもの」の英語訳でした。