雨模様と晴れ模様の意味
お天気関連の用語に、「雨模様」という言葉があります。読み方は、「あめもよう」や「あまもよう」と言います。
本来、この雨模様の意味は、「今にも雨が降りそうな様子」になります。
この辺りは、誤用しやすいかもしれませんが、雨模様とは、「雨が降っている状況」ではなく、「雨が降りそうな様子」です。
使い方としては、たとえば、テレビのお天気キャスターが、「朝から雨模様です」と言った場合、雨が降っている状況ではなく、今にも雨が降りそうな空模様のことを意味している、というわけです。
しかし、ある調査によれば、同程度の人が、「雨模様」について、「雨が降っている状況」という誤用を、正しい意味として理解している、という結果が出ています(参照 : 文化庁ホームページ)。
その調査では、正解である「雨が降りそうな様子」を選んだ人が4割で、本来は誤用の「小雨が降ったりやんだりしている様子」を選んだ人が4割後半となっています。
ただ、言葉の意味は、時代によっても変化していく側面があるので、辞書によっては、「最近では」という注釈付きで、雨模様に関し、後者の意味を掲載している場合もあるようです。
ちなみに、雨模様の語源は、「雨催い」です。
眠気を催す、という言葉が、まだ眠っていない状態で使われるように、雨を催すと書く「雨催い」も、同じように雨が降りそうな様子を指す、ということになります。
この「催い」という言葉が、「模様」となったことから、「催す」のニュアンスが消え、雨が降っている様子を表していると理解されるようになったと考えられます。
確かに、「雨(の)模様」という字から、雨が実際に降っている雰囲気も伝わってくるかもしれません。
また、恐らくこの雨模様の誤用の対義語として、「晴れ模様」という表現を見かけることもあります。
晴れている模様、ということで、晴れ渡っている、晴天のような意味合いで使われることが多いようです。
Twitterなどで検索しても、結構頻繁に「晴れ模様」という言葉が使われ、「心は晴れ模様」といった比喩でも用いられています。
雨模様から、ひっくり返して、晴れている模様で晴れ模様、というニュアンスなのでしょう。その光景や雰囲気は伝わってきます。
しかし、実際には、「晴れ模様」という言葉はありません。
ただ、もしかしたら、晴れ模様という言葉も、雨模様の誤用と同じように、今後辞書に注釈付きで載るようになるかもしれません。