椎茸の部位の名称
椎茸とは
椎茸について、どんなイメージを持っているでしょうか。
子供の頃から椎茸が嫌いだったという人もいるでしょうし、逆に歯ごたえや風味が好きだという人もいるでしょう。
他のキノコは平気なのに椎茸だけが嫌い、苦手という人も少なくありませんが、椎茸が苦手な人の多い理由としては、椎茸特有の硫黄を吸収する性質に由来した、独特の匂いが挙げられます。
椎茸とは、ハラタケ目キシメジ科に分類されるキノコの一種で、日本や韓国、中国などで食用に栽培され、また、東南アジアやニュージーランドにも分布しています。
椎茸は、旨み成分が豊富に含まれ、干し椎茸をお味噌汁にダシとして活用したり、炊き込みご飯にしたり、生椎茸をうどんや鍋料理に入れたり、そのまま焼いて塩や醤油で味付けしても美味しい一品で、精進料理にも使われます。
彼らはまた朝早くから四里も五里も山の中の山葵沢へ出掛けて行く。楢や櫟を切り仆して椎茸のぼた木を作る。山葵や椎茸にはどんな水や空気や光線が必要か彼らよりよく知っているものはないのだ。
出典 : 梶井基次郎『温泉』
この「椎茸」という名前は、椎の倒木などに発生したことに由来します。英語でも、そのままshiitakeないしは、shiitake mushroomです。mushroomは、きのこという意味です。
日本で椎茸がいつ頃から食べられていたか、といった起源ははっきりしていませんが、椎茸栽培の歴史に関しては、江戸時代初期に遡り、当時の佐伯藩千怒の浦(現在の大分県津久見市)の源兵衛という翁が、炭焼き用の材木にしいたけが生えているのを発見し、この様子から椎茸を栽培することを思いついたようです。
部位の名称
椎茸には、肉厚な部分、下の取っ手のような棒状になっている部位、またその先っぽの土のついた硬くなっている部位などがあります。
この椎茸のそれぞれの部位には名称があるのでしょうか。また、土のついている先っぽの部位は食べられるのでしょうか。
まず、椎茸の部位の名称は存在し、それぞれ肉厚な部分が「かさ」、棒状の部分が「軸」、先っぽの土のついた硬い部位が「石づき」と呼ばれています。
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写真を見てもわかるように、椎茸の上の部分の名前が「かさ」であり、下の部分の名前が「軸」と「石づき」となっています。
軸については、柄と呼ぶ場合もあり、またかさの裏面の放射状や同心円状の刃状の器官は襞と言います。
これらの部位の名称は椎茸だけでなくきのこ全般も同じです。
さて、椎茸で一般的に食べる部位は、この肉厚なかさの部分だと思いますが、それでは、軸や石づきは食べられるのでしょうか。
軸は食べられる
椎茸の軸は、食べられる部位で、旨味成分も栄養価も豊富、野生の猿は、椎茸を食べるとき、この軸の部分を食べるそうです。
猿は椎茸の一番おいしいところを、
一部分だけ食べて、
あとはポイポイ捨てちゃうんです。ひどいです。(涙)
椎茸の一番おいしいところって、
どこだと思いますか?傘から軸を、
根元から抜くようにしてもぎます。その軸の根元の部分が、
ふわふわして甘いんですけど、
猿はそこだけ食べるんです。
人間の場合、かさが椎茸の美味しいメインの部位という印象を抱きやすいかもしれませんが、猿は、軸の根元の部分が好みとのこと。
椎茸のかさや軸の栄養を見ると、ビタミンDや食物繊維、カリウムなどが多く含まれ、また椎茸特有の匂いの成分には、免疫力を高める効果もあると言われています。
石づきは食べない?
一方、椎茸の一番下の部分である石づきは、一般的に食べないことのほうが多いと思いますが、食べられないとか、毒が含まれているということはありません。
単純に、見た目も黒っぽく、美味しそうではありませんし、がりがりと硬いので食べない、というだけのようです。
ただ、石づきを捨てるのがどうしてももったいない、節約術として使えないか、という場合、絶対に食べられないということはなく、炊き込みご飯や炒飯、またダシとしても活用できるので軽く洗って利用してもよいでしょう。
しいたけのじくや石づきはみじん切りにして炊き込みご飯や炒飯、ハンバーグなどに混ぜ込めば、かさましにもできますし、低カロリーで旨みたっぷりのエコ&節約メニューになります。縦に薄くスライスして味噌汁やスープ、和え物の具材としても活用できます。
以上、椎茸の部位別の名称でした。
ちなみに、椎茸には「菌床椎茸」と「原木椎茸」があります。
菌床椎茸と原木椎茸の違いとしては、菌床栽培が、人工的な環境下で育てた椎茸であり、短いサイクルで一年中出荷できるメリットがあり、一方の原木椎茸は、クヌギ、コナラ等の原木を1mほどに切り出し、しいたけ菌を植え付け、自然のなかで無農薬栽培された椎茸のことを意味し、時間はかかるものの、風味や香りに優れていると言われています(参考 : 最近よく聞く「菌床しいたけ」と「原木しいたけ」の違いは?)。