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雑学

ヤクのニットの洗濯

ヤクのニットの洗濯

ヤクウールとは

冬の防寒具と言えば、代表的なものがニットアイテムです。

このニットで使用される天然素材には様々な種類があり、羊毛を使った定番のウールのほかに、カシミヤヤギの毛であるカシミヤ、アンゴラウサギの毛が素材のアンゴラ、ラクダの仲間であるアルパカの毛が素材のアルパカなどがあります。

こういった様々な素材のなかで、無印良品がニットのセーターの素材として扱っていることでも知られる、希少で良質なヤクウールがあります(無印ではヤク100%のセーターも取り扱っています)。

ヤクとは、牛の仲間で、ヒマラヤ山脈など標高3000メートル以上の草原や岩場に生息し、ヒマラヤ山脈では、チベットの人々の生活にとって昔から大切にされている動物です。

標高が高い場所に生息していることから、「空にもっとも近い繊維」と称されています。

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寒い土地で育つヤクは、その環境に耐えるために、暖かくて丈夫な毛を持っていることから、そのヤクの毛を素材にしたニットも非常に保温性に優れています。

暖かさや手触りもよく、高級なニット素材として知られるカシミヤとほとんど変わらず、カシミヤよりも暖かいという声もあるほどです。

また、ウールのニットだとチクチクが気になってしまう場合もあるかもしれませんが、このヤクのニットだと、ウールほどチクチクした感覚は気にならず、肌への優しさはカシミヤと同程度と言えるでしょう。

ヤクのメリットは、なんと言っても「暖かい」ということ。ヤクのニットは、セーターから靴下、ネックウォーマーやアームウォーマーなどあり、冬の寒さ対策として暖かく包み込んでくれます。

加えて、薄いのに暖かいことから、それほど重くない、という良さもあり、耐久性に優れ、毛玉にもなりにくいという特徴もあります。

ヤクのデメリットとしては、一般的に値段がウールより高い、ということが挙げられるでしょう。ただ、カシミヤよりは安く、その暖かさや耐久性を考えると、ニットとしておすすめの素材です。

洗濯方法

ヤクは、ウール素材と同様に、洗濯すると縮みや毛羽立ちが起こりやすい素材でもあります。

それでは、このヤクのニット製品を長持ちさせるためのお手入れとして、どんな洗濯方法がよいのでしょうか。

ヤククールを使ったニット専門店「ゆったり・あったか靴下 – 想いやり -」の洗濯方法の解説(お手入れ方法)を参考に紹介すると、洗濯機で洗うことは可能ではあるものの、アイテムの寿命を考えると、「洗濯機洗い」よりも「手洗い」がおすすめだと言います。

まず、ヤクの洗濯に使用する洗剤は、洗浄成分が植物由来100%で、かつ液性が中性のものを選ぶこと(このお店では、オールシングス・イン・ネイチャーという洗剤をおすすめしています)。

その上で、ヤクウールのニットを洗濯ネットに入れます。

洗面器を用意し、洗濯物が浸るくらいの水を張ります。水の温度は、30度以下のぬるま湯にします。

洗面器の水のなかに、先ほどの洗濯用洗剤をワンプッシュ入れます。

水をゆっくりとかき混ぜます。このとき、特に泡立たなくても大丈夫です。

この洗濯液のなかにネットを入れ、手で優しく、丁寧に、2、30回ほど、押し洗いをします。

すすぎは必要なく、手で軽く絞って水気を切り、乾燥させます。

手で絞ることが難しい場合は、洗濯機で一分間脱水をするか、厚手のタオルで巻き押しすることで、水分を取る方法も有効です。

ヤクのニットの寿命を考えると、手洗いの方がよいものの、必ずしも洗濯機洗いができないというわけでもなく、洗濯機洗いも可能です。

ただし、注意点としては、セーターを裏返しにして目の細かいネットに入れ、洗濯機の設定は弱流水にすること。

干すときは、ハンガーで干してしまうと水分を吸った重みによってヤクウールが伸びるので、形を整えて平干し、かつ陰干しすること。タンブラー乾燥は避けること。

注意点さえ守れば、簡単に洗濯ができます。

以上、ヤクウール素材のニット製品の洗濯方法でした。

ニットの起源

ちなみに、ニットの歴史はとても古く、起源がいつ頃からということは、はっきりとは分かっていませんが、紀元前1世紀頃と推定されています。

ニットの起源は、遥かシリアの古代遺跡、エジプトの遺跡からカギ針で編んだ帽子や靴下が見つかっています。

編み物(ニット)は始め羊毛生産の盛んなヨーロッパに4~5世紀に広まりました。

ヨーロッパは気温が低い為、温かい羊毛は必需品となり自然に広がったと言われています。

勿論手編みでしたが、11~14世紀には2本棒針が出来、編み物はヨーロッパの文化として広まりました。

14世紀以降には上流階級や中世の騎士の間で靴下や手袋が人気となります。

その後ギルドという編み物の職人の組合が出来るまでになり、修行6年を経て初めて編み物師としての資格が与えられました。またその時代の編み物師はほとんどが男性でした。

出典 : 世界、日本のニットの歴史を深堀り|KNIT MAGAZINE

日本にはもともと羊がおらず、また衣類と言えば織物で、編み物という文化が入ってきたのはだいぶ遅かったようです。

江戸時代直前の1600年前後に、ポルトガル人やスペイン人によって手編みの手袋や靴下が入り、現存するものとしては、水戸藩主の徳川光圀(水戸黄門)が着用していた絹や綿の靴下が、もっとも古いと言います。

画像 : -日本最古の靴下- 黄門様がはいた靴下