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雑学

長いものから短いものまで、満島ひかりの回文がすごい

長いものから短いものまで、満島ひかりの回文がすごい

回文とは

映画やドラマなどで活躍する女優の満島ひかりさんは、自身の特技として、「回文かいぶん」を挙げています。

回文とは、「新聞紙(しんぶんし)」や「竹やぶ焼けた(たけやぶやけた)」など、上から読んでも下から読んでも同じ言葉になる文章のことを意味します。

回文の起源は古く、歴史は西暦79年まで遡ります。この年、古代ローマ帝国の都市ポンペイを壊滅させた噴火として知られるヴェスヴィオ火山の噴火が起き、同じように壊滅したヘルクラネウムという街の遺跡から、現在世界最古とされる回文が見つかっています。

このことから、すでに西暦79年の段階で回文という形式があったと考えられています。

日本語でも、回文は一般的に知られ、短いものとして、先ほども挙げた「新聞紙」や「竹やぶ焼けた」の他に、「磨かぬ鏡(みがかぬかがみ)」「ダンスが済んだ(だんすがすんだ)」「私負けましたわ(わたしまけましたわ)」などの事例があります。

また、短歌でも回文があり、その代表的な歌として、「長き夜の 遠のねむりの 皆目醒めざめ 波乗り船の 音の良きかな」があります。出典は諸説ありますが、室町時代から伝わる回文和歌です。

この和歌を、分かりやすくひらがなにすると、「ながきよの とおのねむりの みなめざめ なみのりふねの おとのよきかな」となり、「冬の夜の長い眠りからすべてが目覚め、波に乗る船の進む音が心地よい」といった意味と解釈されます。

江戸時代には、お正月によい初夢を見るために、七福神を乗せた宝船の絵を枕の下に置き、その絵には、この回文和歌も書き込まれていたようです。

満島ひかりの回文

さて、満島ひかりさんも、この回文を作ることが得意で、しかも、決して短い回文だけではなく、結構長い回文も作ることができるようです。

満島ひかりさんの回文に関しては、以前『Switch(2020年1月号)』という雑誌で、写真家の佐内正史さんの写真に満島さんの回文を載せた作品が掲載されていたので、掲載作品から、以下、いくつか紹介したいと思います。

世の中はさ、浅はかなのよ(よのなかはさ あさはかなのよ)

恋人と朝 再会さ さぁ と飛び行こ(こいびととあさ さいかいさ さぁ ととびいこ)

誰だ 箱の明り? 靄? 影かと 感じまくる あの坂の火の目 あと追う音、雨の日の傘の歩く魔人か トカゲかヤモリか あの子は誰だ(だれだ はこのあかり もや かげかと かんじまくる あのさかのひのめ あとおうおと あめのひのかさのあるくまじんか とかげかやもりか あのこはだれだ)

佐内さんの写真も、一枚一枚、儚く素敵なものばかりで、この写真に、不思議な詩のような満島ひかりさんの回文が馴染みます。

特に一枚目の回文、「世の中はさ、浅はかなのよ」という一文は、短いながら、シンプルに刺さる映画の台詞のようで、赤色が基調のボーリングをしている光景を写したぼやけた写真も相まって、とても美しい組み合わせとなっています。

佐内さんは、くるりの代表曲の一つである『ばらの花』のミュージックビデオの監督を担当していることでも知られています(くるり『ばらの花』MV)。

また、お笑い芸人で作家の又吉直樹さんが、満島ひかりさんと共通の知人を交えて食事を共にした際に、満島さんの回文を作る能力とセンスに驚き、満島さんの回文をもとに又吉さんがショートストーリーを作る、という「まさかさかさま」という企画も行っています。

満島さんが、一体いつから回文を書くようになったのか、理由は分かりませんが、雑誌には、「2018年頃から突如、回文に目覚める」とあります。

以上、満島ひかりさんの回文でした。