米印「※」とアスタリスク「*」の違いと使い方
普段、パソコンなどで文章を書くときに、「注釈」をつけたい場合があります。
注釈をつける際は、「注」などと、そのまま漢字でつける場合(複数ある場合は、「注1」「注2」と数字をつける)もあれば、記号を用いるパターンもあり、注の記号としては、「※」が使用されますが、以下、この「※」について、読み方や使い方、由来などを紹介したいと思います。
米印「※」とは
まず、「※」の読み方は、「米印」です。これが、「※」の一般的に知られる名前になります。
そのため、パソコンで、「※」を打つ場合、キーボードなら、shiftを押しながら「*」を打ち、変換すると「※」が出ますが、直接、「こめじるし」と打って変換しても「※」が出てきます。
また、iPhoneの場合も、「こめじるし」で変換しても出ますし、または、記号を表示するキーに変えてから、「4」の部分を3回タップし、変換しても、「※」が出てきます。
この「※」単独には意味はなく、「しるし物」と呼ばれる、目印となったり装飾をほどこす記号として扱われています。
それでは、一体なぜ、「米印」と呼ぶのでしょうか。
由来は至ってシンプルで、日本語の「米」という字を傾けた形に似ていることから、米印と呼ばれています。
米印は、基本的に注釈記号として使用されますが、その形から、米穀店が看板のシンボルマークとして使用する場合もあります。
米印「※」の使い方
文章のなかで、米印「※」を使う際、使い方としては、「注釈」や「補足」、「箇条書き」などで使用されるのが一般的です。
用例1 「注釈」
台風一過の影響で、昨日の最高気温は9月の気温としては観測史上二番目(※1)の暑さとなりました。
※1 観測史上最高は、19××年の◯◯県
用例2 「補足」
運動会の日程 令和元年10月10日
※雨天決行
用例3 「箇条書き」
契約の更新に必要なもの
※印鑑
※免許証
※証明写真
日常でも、こういった例で使われる機会は目にすることがあるのではないでしょうか。
米印「※」と、アスタリスク「*」の違いは
ところで、この「※(米印)」は、英語では使われているのでしょうか。
英語では、米印はなく、代わりに「*」「*」が使用されます。これは、「アスタリスク、アステリスク(asterisk)」と呼び、日本語だと、「星」「星印」などと言われます。asterは、ギリシャ語で星(star)を意味します。
日本で使われる「※(米印)」は、米という漢字に由来し、英語などで使われる「*(アスタリスク)」は、星の形から来ている、というルーツの違いはあるものの、使い方には、それほど違いはありません。
ただ、全く同じというわけではなく、特に英文に使われるアスタリスクに関しては、米印とは違い、但し書きなどでは使われず、そのため、ビジネスの現場などで使う際には注意が必要です。
日本語の※は、注意書きや、本文に書いていないことを追加する時、あるいは箇条書きの時に使われることもあり、文書作成でなにかと便利な記号です。しかし英文での*は、厳密な使い方が決められています。結論から言うと、※は*と同じ使い方はできないのです。
英文での*は、本文でなにか特別に解説を加える必要がある部分に置き、欄外にも同じように*を置いて連携させ、本文のその部分に対する注釈や解説を加えるという機能があります。
英文の場合は、解説を加える際に、「*」をつけ、欄外にも「*」を置いた上で解説を加える、という風に使い方が決まっているようです。
また、この「*(アスタリスク)」が、縦に二つ並んだ、「⁑」の読み方は、ダブルアステと言い、三つが三角になった「⁂」は、「アスタリズム」と言います(あまり使われないようですが、「*」の補助目的で使われます)。
いずにれせよ、アスタリスクは、米印ほど幅広く使える記号ではないようです。
ちなみに、電話には、♯の記号とともに、もう一つ「*」と似ている(よく見ると微妙に違う)記号があります。
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このボタンは、ITUによって世界共通の機能ボタンマークとして決められました。
「#」や「*」は、機能ボタンといって、短縮ダイヤルの登録や伝言サービスの終了等、様々な機能サービスに利用されています。どのようなサービスがあるかは、電話会社や電話設備によって様々です。
また、呼び方が決まっていないので、それぞれの国によって違います。
これは、世界共通で決まっている記号(正式名称は決まっていません)で、日本だと米印と呼ばれており、一方で、海外では「アスタリスク」や「スター」などと呼ばれています(「♯」は、海外だと「ハッシュ」や「スクエア」などと言います)。
以上、米印「※」の意味や由来、アスタリスク「*」との違いでした。