和歌・短歌

佐佐木信綱〜ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲〜意味と解釈

佐佐木信綱〜ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲〜意味と解釈

〈原文〉

ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲

〈現代語訳〉

秋の暮れの奈良の薬師寺の塔の上にある、ひとひらの雲よ

概要

歌人の佐佐木信綱は、明治5年(1872年)、三重県の鈴鹿に生まれます。

国学者の父弘綱の教えのもと、幼少期から短歌をつくり、東京帝国大学文学部に進学。大学卒業後には、機関紙『心の花』を創刊。

東京帝国大学で和歌史の教授をしながら、多数の研究所や歌集を残し、昭和38年(1963年)に91歳で亡くなります。

この「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲」は、信綱の代表作として知られている歌です。

ゆく秋とは、晩秋、秋の暮れを意味し、大和の国は、奈良県。奈良の薬師寺にある美しい塔の上に浮かぶ一ひらの雲。

繰り返される「の」が特徴的で、リズミカルで音楽的な上に、まるで塔のような構造になっているのも、この短歌の魅力です。