「少し遅れる」は何分か
ちょっと遅れる、少し遅れる
誰かとの待ち合わせで、予め時間の約束を取り決めているときに、様々な理由で、少しだけ遅刻をしてしまうことがあると思います。
寝坊してしまったり、電車が遅れてしまったり、遅刻の理由は数あれど、遅刻しそうだ、となったら、仮に少しの時間であっても、恋人や友人、仕事に限らず、ちゃんと連絡をすることも多いでしょう。
それでは、遅刻の連絡をするとして、たとえば、「ちょっと遅れる」「少し遅れる」といった文面の場合、だいたい何分くらいのつもりで送っているものでしょうか。
あるいは、相手から、LINEやメールなどで「ちょっと遅れる」と来た場合、何分くらいと認識するでしょうか。
具体的な数字がなく、「ちょっと」や「少し」となると、どうしても個人差が生まれ、すれ違いにも繋がりかねません。
全然「ちょっと」じゃない、といった軽い喧嘩に発展しないためにも、一般的な「ちょっと」の分数を把握しておくとよいかもしれません。
たとえば、ちょっと遅れる、少し遅れるというのが、何分くらいかということに関して、以前、新聞社の校閲が行ったアンケートが、以下の内容になります。
待ち合わせの相手から「ちょっと遅れる」「少し遅れます」というメッセージが来ました。相手や状況にもよるとは思いますが、だいたいどれぐらい遅刻してくるものだと受け取りますか。最も近いものをお選びください。
出典 : 日本経済新聞 校閲
アンケートの選択肢は、5分以内、10分以内、15分以内、それ以上、という4つで、このうち、ダントツで多かったのが、「10分以内」という回答でした。
半数以上の人が、「ちょっと遅れる」「少し遅れる」というときの「ちょっと」や「少し」は、10分以内というニュアンスで受け取っているようです。
次に多かったのが、「15分以内」で26%です。
もっとも少ないのが、「それ以上」ということから、さすがに、15分以上遅れる場合に、「ちょっと遅れる」や「少し遅れる」という言葉は使わないだろうと捉えている人が多いようです。
個人的にも、アンケートの注釈にあるように、相手との関係性や状況にもよるものの、「ちょっと遅れる」は、だいたい10分以内から、せいぜい15分くらい、という感覚です。
もし自分が15分以上遅れるようなら、「15分くらい遅れる」、あるいは、「30分くらい遅れる」といったように、ある程度具体的に、かつちょっと多めに、遅刻の理由も添えて伝える、という形になるように思います。
遅刻は、どれくらいなら許せるか
ところで、遅刻をする相手を待っている側として、だいたい何分くらいまでなら遅れても許せるものなのでしょうか。
女性向け雑誌のCanCamのアンケートによれば、待ち合わせの際に、連絡なしで、どれくらいの遅刻だとイラっとするかという質問に対し、回答を見ると、10分くらいまでが限度という人が最も多かったようです。
出典 : 「ごめん遅れる!」待ち合わせ相手の遅刻、あなたは何分待てる?|CanCam
1分でも遅れたらイラっとするという人もいますが、一方で、30分までOKだったり、回答者の1%に至っては、一時間以上でも平気、という相当気の長い人もいます。
遅刻の連絡なしで、一時間以上待っていても平気というのは、一体どういった人なのでしょうか。
もしかしたら、この辺りは、関係性だけでなく、性別や年齢、出身の地域などによっても差が出てくるのかもしれません。
東京のような都会で生活していると、日々電車など時間を守る習慣のなかで暮らしていることもあり、時間の感覚にきっちりするようになるのではないでしょうか。
一方で、「島時間」という言葉があります。
島時間とは、沖縄や奄美など、南のほうの島の暮らしのなかに流れる、ゆったりとした時間の感覚を意味し、悪く言えば、時間にルーズと言えるかもしれませんが、よく言えば、時間に追われることなく、寛容で大らか、ということが言えるでしょう。
旅をしながら東京での時間の流れから石垣島、西表島での時間の流れに変わり、場も変わることで際立って感じるのは、東京と沖縄での”時間の流れの違い”です。
”島時間”という言葉もあるくらい、ゆったりと流れていきます。
その時間軸の中にいると、日頃、なぜそこまで焦っているのだろうか。何を生き急ぐ必要性があるのだろうか。という問いが立ち上がってきます。成長を前提する社会があらゆるものやことのスピードを速めています。島の人たちと関わるとそれが不自然なようにも見えてきます。不思議な感覚です。
先ほどのアンケートの一時間以上でも遅刻は許せるという人も、もしかしたら島時間が流れている人なのかもしれません。
最後はちょっとだけ話が逸れてしまいましたが、時間の感覚はそれぞれで違う、ということを踏まえておくと、遅刻の際のトラブル予防にも繋がるのではないでしょうか。