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言葉の意味・由来

ど・どんの強調の意味

ど・どんの強調の意味

ど・どんとは

ある表現を強調したい場合に、名詞や形容詞の頭に、「ど」や「どん」がつけられることがあります。

たとえば、「ど」を使って強調している言葉の例として、「ど根性」「ど真ん中」「ど迫力」「ど素人」「どケチ」「どぎつい」「どでかい」「ど派手」などがあり、また、「どん」を添えて強調している言葉には、「どん底」「どん詰まり」「どんぴしゃ(り)」などが挙げられます。

この「ど」や「どん」は、「接頭語」と言い、単独で使うことはありません。接頭語とは、独立した単語としての役割は持たずに、言葉の頭について語調を整えたり軽く意味を添えたりする言葉の構成要素の一つです。

「ど・どん」とは

名詞や形容詞の上に付け、強調の意味を込める接頭語。

他に、接頭語の事例としては、「お手紙」の「お」や、「ご親切」の「ご」、「た易い」の「た」などがあり、「ど」や「どん」と同様、日常的に使っていることも少なくないでしょう。

意味の具体例

それでは、「ど」や「どん」を使っている言葉を一つ一つ見てみましょう。

①「真ん中」という言葉と、「ど真ん中」という言葉では、意味合いにどんな違いが見られるでしょうか。

野球で、「真ん中に投げる」という場合と、「ど真ん中に投げる」という場合では、同じ「真ん中」でも、より寸分の狂いもなく、「真ん中」といった強調のニュアンスが添えられるでしょう。

②「ど素人」という言葉と、「素人」では、どういった違いが見られるでしょうか。

こちらも、「素人」よりも、「ど素人」のほうが、いっそう「素人」が強調されます。また、「素人」は、単純に初心者という意味合いが強いものの、「ど素人」となると、表現がきつく、小馬鹿にしたような、悪口のニュアンスも込められていると言えるでしょう。

③「ど派手」という場合も、単に「派手」というよりも、その派手さが強調され、場合によっては、ちょっと煌びやかすぎて、悪い意味が付与されていることもあるでしょう。

あるいは、「すごいなぁ…」という感嘆のニュアンスも込めて、「ど派手だなぁ」と言う場合もあるかもしれません。

④「どん底」は、「底」に、「どん」がついた言葉ですが、「どん底」と表現することで、「底」よりもさらに下、本当に底辺の状態といったニュアンスになります。

こうした「ど」や「どん」は、分かりやすく当てはめるとしたら、「超」だったり、「まさに」といった言葉で置き換えが可能かもしれません。

また、「ど」に関しては、よく目にする定型的な表現だけでなく、「ど天然」や「どストレート」など、色々な場面で柔軟につけられています。

ただ、「ど」が馴染む言葉と馴染まない言葉とあり、たとえば、「どエリート」とは言いませんし、「ど田舎」とは言っても、「ど都会」と言うことは基本的にありません。

音によって変わるのか、意味なのか、その辺りの違いについては、どういった理由が挙げられるのでしょうか。

この「ど」は、もともと上方の俗語で、ののしる気持ちを込める際に使っていたものでもあり、洗練されていない、低級なものを指すときに使われる、という指摘もあることから、多少悪い意味で使う言葉の強調として用いられるのでしょう。

そのため、「ど田舎」と表現しても、「ど都会」とは言わない、といった使い分けが生じるのでしょう(「ど迫力」などは、褒め言葉としても使われるので、野性味なども関連しているのかもしれません)。

ちなみに、「ど・どん」という強調の接頭語は、古くは「どう」という言い方に由来するという説があります(参照 : 「どう」とは|コトバンク)。

以上、「ど・どん」の意味でした。