無印の手動式鉛筆削りの使い方
鉛筆と鉛筆削り
普段、仕事上のメモや勉強に当たって、文章はどういった「道具」で書いているでしょうか。
今では、スマホやパソコンなどのノート機能アプリを使って書いている人がほとんどかもしれません。
その際には、キーボードを叩いて文字入力する場合もあれば、スマホの音声入力も使っている、という人もいるでしょう。
また、デジタルではなくアナログで、紙のノートを使うという人も、決して少なくはないでしょう。
紙のノートには紙のノートのよさがあり、イラストも文字もざっくりしたアイディアも、あまりフォーマットを気にすることなく自由に書くことができる、というメリットがあります。
発想を自由にアウトプットする、という点では、紙のノートはとても便利です。
それでは、このノートに書く筆記具に関しては、どういった文具を使っているでしょうか。書くものは、おそらく、黒の油性ペンやシャーペンなどが多いでしょう。
日常的にノートに鉛筆を使って書いている、という人は珍しく、小学生や、絵のデッサンなどを行うのでない限り、今はなかなかいないかもしれません。
鉛筆を使って書く場合に必要なものは、鉛筆と消しゴムと、もう一つ、鉛筆削りです。
鉛筆削り、ちょっと懐かしい響きに感じる人もいるかもしれません。
この鉛筆削りには、電動と手動とあり、電動の場合だと、鉛筆を差し込めば、ほぼ自動で削ることができます。
一方、手動の鉛筆削りの場合は、鉛筆を差し込んだあと、自分の手でハンドルを回して削ることになります。
無印良品の鉛筆削りと使い方
以前、ある用途のために、鉛筆を使う必要があったことから、鉛筆と消しゴム、それから鉛筆削りを購入しようと、どんな商品があるか、色々と見ていたことがあります。
その際に目に留まったのが、無印良品の手動の鉛筆削り(大)。
シンプルでデザインも可愛いし、おしゃれだと思い、さっそく無印の鉛筆削りを購入します。
無印良品の鉛筆削りは、基本的にサイズが「小」と「大」と二種類(さらに小さい筆箱に入れられるサイズのものもあります)、値段が多少変わるものの、小は子供向けのような雰囲気だったので、大きいサイズのほうを選択。
大きいと言っても、大人が片手の手のひらで掴んで持てるくらいの大きさで、正確なサイズは、大体、幅71mm×高さ129mm×奥行き121mmとなっています。
家で、机の上などに置く分には、それほどスペースは取りません。
さて、買った無印良品の鉛筆削りを前にして、ふと、「手動の鉛筆削りってどうやって使うんだっけ」と使い方をすっかり忘れてしまっている自分に気づきます。
ひとまず、頭についている耳のようなつまみをつかんでから、手前に引っ張り、鉛筆削りの穴に鉛筆を差します。
無印良品の鉛筆削り(大)
その後、後ろに付いているハンドルを、ぐるぐると回すと鉛筆が削れるはず、と思っていたのですが、一向に削れない。
途中までは削れても、鉛筆の芯の部分には進んでくれません。
なぜ削れないのか、さっそく故障なのだろうか、としばらく本気で悩みます。
それから、「そうだ、固定しないといけないんだった」ということを思い出し、鉛筆削りが動かないように上から手で押さえる、という方法で試したら、あっという間に削れました。
左手で軽く押さえながら、右手でハンドルをぐるぐると回すことで、簡単に鉛筆が削れます。
削ったら、ゴミが下のケースに溜まるので、ときどきケースを引いて取り出し、中身をゴミ箱に捨てるようにしましょう。
以上、無印良品の手動式鉛筆削の使い方でした。
小学生は、なぜシャーペンが禁止なのか
鉛筆を日常的に使っていたと言ったら、個人的には、先ほども触れたように、小学生の頃に遡ります。
今でも、小学生は、鉛筆を使うのでしょうか。
自分が子供の頃は、確か小学校のうちは鉛筆で、シャーペンは禁止だったような気がします。
ロケット鉛筆と呼ばれる、鉛筆の芯の部分が機械的に取り替え可能になっている筆記具もあり、ポケット鉛筆がアウトだったかどうかは、ちょっと覚えていません。
でも、学校で見たことがあったので、使っている子供はいたのでしょう。
それでは、一体なぜ、小学校ではシャーペンが禁止なのでしょうか。
当時の記憶を振り返っても、なぜシャーペンが禁止なのか、理由については覚えていません。もちろん、法律で決まっているわけではありません。
目などに刺さると危険だから、というような理由であれば、鉛筆も同じでしょうし、実際、調べてみても、特に明確な理由があるわけではないようです。
小学校でのシャーペンの禁止は、別に法律で決まっているわけではありません。
それどころか学校毎の規則・ルールとして明文化されていることも、まずありません。なのに、当然のごとく禁止されています。
教員の皆さんに理由をうかがうと、おおむね、「筆記具の正しい持ち方や筆圧、硬筆書写の基本を日常的な習慣として身につけるため」という意見です。
「毎日、鉛筆を削って授業の準備をすることが学習に向かう真剣な態度を育てる」という意見をお聴きして、なるほどと思ったこともあります。
あとは、授業中にノック音がカチカチとうるさい(遊んでしまう)とか、芯がポキポキと折れてゴミが出やすいとか、高価なものもあるので盗まれたり紛失したりという騒ぎになりやすいなど、学校ならではの禁止したい事情もよく聴かれます。
しかし、先生たちからのこの程度の説明で、子どもたちがシャーペン禁止に納得することなど、皆無と言っていいでしょう。
鉛筆のほうが、書く動きのための基本的な身体作法が身につくという教育的観点から、ということでしょうか。
その他、盗難騒ぎなど、余計な問題が起きてほしくないという事情もあるようです。
小学生の頃、鉛筆しか使えないことに関して、それほど意識したことはありませんでしたが、ただ、シャーペンを使ったときに、なんとなく大人になったような気がしたことは覚えています。
ちなみに、鉛筆削りが普及する以前は、ナイフを使って削るのが一般的で、今でも画材で使う場合などは、カッターナイフを使っているようです。
【もう迷わない!】正しいデッサン用鉛筆の削り方。【基礎】
鉛筆はいつから使われているのか
鉛筆は、もともと海外の筆記具で、世界最初の鉛筆は、16世紀のイギリスで生まれます。
1560年代、イギリスのボローデール鉱山で良質の黒鉛が発見され、その黒くなめらかな性質が注目されて、こまかく切ったり、にぎりの部分をヒモで巻いたりして筆記具として使われるようになりました。 こうして世界最初のえんぴつは作られました。
まだ、この頃の鉛筆はだいぶ簡易的な作りだったようで、以降、時代とともに変化し、現在の鉛筆の形になります。
それでは、日本では、一体いつから鉛筆が使われているのでしょうか。
日本で最初に鉛筆が入ってきたのは、江戸時代の初期の頃と言われ、徳川家康の遺品として、当時の鉛筆が残されています。
静岡県の久能山東照宮博物館に徳川家康の遺品として、約6cmの1本のえんぴつが展示されています。これが、日本にのこっている一番古いえんぴつといわれています。芯はメキシコ産で、柄は赤樫でできています。
また、戦国大名として知られる伊達政宗も鉛筆を使っていたと言われています。
どういった形で日本に鉛筆がもたらされたのか、詳しい経緯については記録が残っていません。ただ、おそらくオランダから徳川家に献上されたのではないか、といった指摘があります。
ただ、献上品なので、江戸時代にはまだ鉛筆は一般に普及していません。
文具館コバヤシ TVCM「家康の鉛筆」篇 15秒
日本で、本格的に鉛筆が使われるようになったのは、明治維新以降のことで、ただ、当時はドイツからの輸入品ということもあり、高価で、極一部の人が使っていただけだったようです。
その後、アメリカからの輸入や、学校での毛筆から鉛筆への切り替え、国内の鉛筆工場の建設、大量生産などもあり、庶民に鉛筆が普及していくことになります。
鉛筆削りに関しては、海外製のものは戦前から存在していたものの、国産の鉛筆削りが開発されるようになったのは、戦後、高度成長期の時代に入ってからのことです。
国産の鉛筆削り器(卓上のものをシャープナーといいました)が作られるようになったのは、第二次世界大戦後、高度経済成長の時代です。三菱鉛筆がシャープナー第1号の販売を開始したのは1957(昭和32)年でした。これがその後鉛筆削り器の主流となっていきました。
そして三菱シャープナーは1967(昭和42)年には電動式に進化しました。電動シャープナーは最初は高級品とされましたが、現在では価格も下がり普及品となっています。
鉛筆削りは、結構早い段階で、手動から電動に変わっていったようです。
この初代の鉛筆削りかどうかは分かりませんが、YouTubeでは、その当時の鉛筆削りと思われる動画があり、また、ネットで「三菱 鉛筆削り レトロ」といった検索をすると、色々と画像も出てきます。
動画 : 【1955年代 三菱鉛筆 鉛筆削り器】【昭和レトロ】
若い人には、昭和レトロが人気という話もあり、確かに、この鉛筆削りも、デザイン的にだいぶ渋くかっこいい佇まいになっています。