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言葉の意味・由来

わんぱくは「いい意味」か

わんぱくは「いい意味」か

わんぱくとは

子供のなかでも、特に男の子を形容する際に使われる言葉に、「わんぱく」があります。

たとえば、「全くこの子はわんぱくだね」と単独で使ったり、「わんぱく小僧」や「わんぱく坊主」などと頭につけることもあります。

また、「わんぱく公園」と名のつく公園も各地にありますし、子供たち向けの「わんぱく相撲大会」なども開かれます。

わんぱくとは、漢字で「腕白」(当て字)と書き、「子ども、特に男の子が言うことをきかずに、遊びまわったり、いたずらをしたりすること」を意味します。

わんぱくの意味(コトバンク)

子ども、特に男の子がいたずらで言うことをきかないこと。言うことをきかないで遊びまわったり、わるさをしたりすること。また、その子どもや、そのさま。無理やわがままをいう意で、大人に用いる場合もある。

アニメ『ドラえもん』の登場人物で言えば、ジャイアンのような男の子が、わんぱくと言えるでしょう。

わんぱくは、褒め言葉として、いい意味で使うこともありますが、それは直接的な褒め言葉というよりは、多少はいたずらもするが、わんぱくなくらい元気があって、活発でいい、というニュアンスが含まれる繊細な表現かもしれません。

もう少し分かりやすく褒め言葉のニュアンスに言い換えるなら、「活発で元気な子」などでも伝わるでしょう。

腕白わんぱくという言葉の由来は、諸説あり、「関白かんぱく」の音が変化した語という説、道に外れたことをして人を惑わす「枉惑おうわく」という言葉が転じたという説、また、その語が変化した「わやく」の訛りという説などもあります。

「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」

わんぱくという言葉を使った有名な台詞、名言として、「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」という一節があります。

この「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」という印象的な言葉は、丸大ハム(丸大食品)のCMの広告コピーで、1970年頃に流れ、その当時流行となったようです。

CMは、登山に訪れた父親と男の子が、たき火の横で、ナイフを使ってハムを切り、切ったハムをたき火にかける、という映像の他に、色々とアウトドアをする親子の光景とともに、父の「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」という台詞が挿入されるシリーズとなっています。

また、『ドラえもん』のなかで、のび太のおばあちゃんが、子供の頃ののび太に「わんぱくでもいい、たくましく育っておくれ」と言うシーンもあります。

これは『ドラえもん』のひみつ道具「人生やりなおし機」の話のなかで登場します。

人生やりなおし機とは、あのときこうすればよかったと思っている昔に戻り、もう一度やり直すことのできる機械です。

この話のなかで、4歳の頃に戻ったのび太に、おばあちゃんが、「わんぱくでもいい、たくましく育っておくれ」と言います。

出典 : 藤子・F・不二雄『ドラえもん』

掲載は1977年なので、丸大ハムの広告コピーのほうが先のようです。その当時、有名な一節だったのでしょう。

おてんばとは

わんぱくは、基本的には男の子に使われる言葉で、女の子の場合は、類語として「お転婆てんば」を使用し、「おてんば娘」などと表現します。

おてんばとは、活発で、はしゃぎ回る女の子を意味し、「わんぱく」と「おてんば」の違いとしては、意味が微妙に異なることと、対象が主に男の子か女の子か、といった点が挙げられます。

おてんばの意味(コトバンク)

恥じらいなく、はしゃぎ回ること、またそのようす、人物をいう。男女ともにいうが、江戸語では、とくに女性のみにあてる。

ただし、「親不孝で従順でない」という意味の「転婆」の場合、男女ともに使われます。

おてんばが、いい意味として使われるということは、わんぱくよりも少ないでしょう。

おてんばの由来も、オランダ語のontenbaarオンテンバールが語源だという説など諸説あり、正確な成り立ちは分かっていません。

江戸語以降用いられているが、語源には諸説あり、定説をみない。その中で、「大言海」はオランダ語 ontembaar から「おてんば」が生まれたとする。しかし、同様の意味を表わしうる「てんば」が既に近世前期にあるので、「てんば」を先行する語とみる方が自然か。

ただし、「てんば」は「おてんば」より広い意味を持ち、「しくじること」「親不孝で従順でないこと」などの意で、男女を問わず用いられ、現在でも西日本の各地にそれらが残っている。したがって、「てんば」に接頭語「お」を加えることによって「おてんば」になったと、単純にとらえることもできない。

この点については、上方で用いられていた「てんば」が江戸語として使用されるに際し、オランダ語 ontembaaar が何らかの形で作用し、新語形「おてんば」を生じると同時に、意味の特定がなされたとの説もある。

出典 : おてんば|コトバンク

このontenbaarは、「手に負えない」「馴らすことのできない」「扱いづらい」「勝気な」などの意味があります。

おてんばの類語では、他に、目上の人の制御に従わず、扱いの難しい女性を指す言葉として「じゃじゃ馬」という表現もあります(基本的に男性には使いません)。

じゃじゃ馬は、もともと暴れ馬のことで、その意味から、転じて、上記のような意味合いとなります。

やんちゃとは

その他、「わんぱく」と似たような意味で、「やんちゃ」という言葉もあります。

やんちゃとは、「子供が、わがままを言って、だだをこねたり、いたずらをしたりすること」を意味し、「わんぱく坊主」と同様に、「やんちゃ坊主」などと言うこともあります。

わんぱくとやんちゃの意味には、ほとんど違いはありませんが、やんちゃのほうが、ある程度大人になっている若者に対しても使われることがあります。

たとえば、「彼は若い頃やんちゃをしていた」と表現する場合は、結構“不良”だった、といった意味合いになるでしょう。

辞書で見ると、わんぱくも大人に対して使うことがあると説明がありますが、基本的に、大人(若者)に使うとしたら、やんちゃのほうが多いと思います。

このやんちゃという言葉も、オランダ語のJantjeヤンチェが由来と考えられています。

以上、「わんぱく」や「おてんば」、「やんちゃ」の意味でした。